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嗤う伊右衛門 映画 [映画]



昨夜、遅くに起きていたら東宝の映像と共に「嗤う伊右衛門(わらういえもん)」の映画がはじまってしまい、つい最後まで見てしまいました。さすがに終わったのは明け方近くになってしまい体力的にきつかった。

副題はETERNALLOVEです、重要なキーワードですよ。

2003年128分
監督:蜷川幸雄
出演:唐沢寿明 (民谷(境野)伊右衛門) 小雪(民谷岩) 香川照之(又市) 椎名桔平(伊東喜兵衛) 池内博之(直助)

第25回泉鏡花文学賞受賞である「嗤う伊右衛門」は京極夏彦の小説で、その映画化と聞いたときはあんな地味な中途半端な作品が?と正直思ってしまいましたが、見た後でもその印象は払拭できなかったです。

ベースは「四谷怪談」であるお岩さんの話なんですが、それを具体的な人間ドラマに書き起こしたのが小説「嗤う伊右衛門」なんです。基本的に深い武家の夫婦愛を軸に因縁が絡みあい、クライマックスで全てそれが解けカタストロフィへという流れはやはりミステリー調(本格ミステリとは言いがたい京極作品ですが、でもこの人の作品、やっぱりミステリなんだよね)。
ミステリが好きで京極作品が好きで小説読んでるので、四谷怪談の新解釈とかそういうのはもとより興味が薄かったわけですが、映画化ってなったときは驚きました。ホラーになるのかな?という期待もあったんですが、なんというかスプラッタ描写はあってもホラーはなかったです。

面白いかどうか、小説を読んでたのでちょっと判断しにくいですね。
役者さんの演技も素晴らしかったし、さすが蜷川幸雄という演出もよかった。
そりゃあ見応えはあります、小雪の美しさだけでも一見の価値あり、かも。

かなり小説に忠実な映像化でした、シナリオも含めて。
まあシナリオいじるとオチまで影響しますしね。

淡々と話が進むんで眠たいひとは多いかもしれないです。

実は、この「嗤う伊右衛門」に出る重要な人物、又市、は他の京極作品のシリーズキャラなんですよね、、、、なので、その辺が違和感があったなあ。
作品を全体的に読んでたら理解できる人物なんですが、映画のまとまりという点からみると、このキャラの過去を掘り下げたシーン(小説にもあるシーン)とかは要らなかったと思うんです。話の流れをよくするためのキャラなので、そのキャラにまで重たい過去がある、っていうのはテンポが悪くなってしまう。主筋に全く関係がないので。
このへんは難しいですね。
作品ファンとしては、こういうシーンまで忠実にちゃんと入ってるのは嬉しいというか、まあ後であのシーンなかったじゃん、みたいな不満がないっていうか、、、、。
映画としても、説明要素として補完するのにはちゃんと役にたってるので、全くのファンサービスであったわけでもなく(当然、小説のほうでそういう役割をもったエピソードなのですが)。

で、この又市は、巷説百物語、という作品の主要人物です。
巷説百物語は以前ドラマにもなってるんですよね。



原作の嗤う伊右衛門。京極作品にしてはページ数は少なめ。



巷説百物語は展開が幅広いですね。





小説もですが、コミックスも結構でてますねー



その流れでアニメもあります
ちなみに、後巷説百物語は第130回直木賞受賞作品です。

シリーズは、
巷説百物語
続 巷説百物語
後巷説百物語
前巷説百物語
と出ていますね。

しかしこの作家もけっこう量産型の方で、追っていくのは大変です。毎回ページ数が多くてね、、、。ただ非常に読みやすいので、高校生くらいからオススメできます。ウンチクが豊富なので若いうちに読むといいかも。エンタテイメント系の作家さんですねー。


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