モテキ 全巻よんだよ [本]
モテキ 全4巻
久保ミツロウ 講談社イブニングKC
ようやく全巻読みました。
テレビドラマになる頃に途中まで読んでたんだけど、どうしても最後まで読む気分にならなくてそっと熟成させていました。
だって全編心が痛むの。読んでられないの。見てられないの。
恋愛に関して臆病で妄想しすぎで期待しすぎな30歳という設定。そして卑屈な性格と恵まれない環境。定職に付けず付き合った人が居ない暦ほぼ年齢。
いたたたた、痛いよ痛い、もうやめて読者のHPはゼロよ、だ。
4人のメイン女子を中心に上記のような男子が恋愛に右往左往する展開なんですけど、これがもう女子版としても十分変換がきく内容で辛いのなんのって。
というか、こういうオトコって居るよねーって思ったらイライラしてきました。やたら女の子に対してウジウジ考えに考えてちょっとした電話ひとつするのに何時間も悩んだり、ちょっと笑顔で会話ができたくらいで恋愛にすぐ結びつけて考えたり、とにかく反応が敏感なオトコ。それでモテる、モテないこともないっていうとやっぱり実際ちょっと顔がいいんだよね。現実だと。雰囲気のいい清潔感のある青年というベクトルが多い気がする。正統派な美形ではないけどやっぱり整っているというか、鼻筋が通っていて遠目でイケメンな感じ。いや、別にイケメンでいいんだけど、作中のように自分にダラしない性格だから太っちゃったり、自分を正確に客観視することが苦手で変な服装になっちゃったり。そういう万人受けとはちょっと違う感じ。
あとまあ「情け無い、女々しい、頼りない」っていう、母性や父性のような保護愛以外では好感度を上げることが難しい、、、、成人男性、、、、あー。
いやいや、イイところもあるんだよ、物事にまっすぐに当たれるからこそ、全てにきちんと反応するし、人の心を気遣うからこそ優しいし。
でもいい年になってそれだとめんどくさいよねー。純粋さを持ったまま大人になる、なんて幻想だと知ってて付き合いたいじゃん、レクチャーするほど暇じゃないのにさあ。
土井亜紀もめんどくさいって。
そういう主人公、フジ君がひたすら4巻かけて恋愛に奮闘します。もうそれしかないです。なので途中で心が痛いのと、展開が恋愛のみっていうので読むのをやめてたんだけど、コンパクトに4巻で終わっている作品なのでそこがよくて全部読みました。
結局、右往左往する部分を楽しむマンガであって、オチはそんなに期待してはいけないです。大団円になっちゃうとフジ君のリアルさが台無しになるでしょ。
やー、こんなリアルな心理描写はたまにでいいなーって感想です。ほんと心が満身創痍です。
いつかちゃんの初体験なんて、酷いことこの上ないよ。夢も希望もないよ。でもリアル過ぎて否定もできないよ。
あうあうあー。
小宮山夏樹みたいな女もリアルに居る(さすがに東京から長崎まで遊びでくるようなのは現実感ないけど)。
テレビドラマに向きに向いてる題材というか原作だよ。そっちは見てないけど怖いもの見たさはある。
これねー、何も解決しない、何も成長しない、物語なんだよね。
それってとてつもなく人生を表していると思うんだ。
そしてそんなこと、わざわざマンガで読みたくないじゃん。
そういう意味で問題作です。面白かったけど。
演出もよく研究されていて、そういう部分もいい。女性誌が日々創り上げる「受け」を笑う風潮もあるし(そこを勘違いしてこれを読んでしまうのが本物のスイーツだけどさ)。
もうすぐ映画も公開されるみたいなのですが、映像で観る恐怖に打ち勝てるのだろうか、、、、。
http://www.moteki-movie.jp/index.html
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