「半島を出よ」 [本]
「半島を出よ」
上下巻
村上龍/
2005年(H17)3月発刊
わたしは飽き性なせいで平行して数冊の本を読むくせがあるんですが、ひさびさに一気に数日のうちに読み終えたのが、この「半島を出よ」。
かなり今更感がある秋の夜長の読書選定ですが、積み本もけっこうあるのであんまり本を買うのはしばらくやめようと思っていた矢先に、ストレス発散で衝動買いしたもので。
村上龍氏の場合はカンブリア宮殿などテレビ番組をもっていたりとわりと露出が多い方だと思うのですが、それでなんとなく彼本人を小説のなかに比較的感じるんですよね。別段それが気に入らないってこともないのですが、今回はそんな隙間があまりなかった気がします。
概要は、福岡ドームを北朝鮮の武装コマンドが占拠、さらに直後、数百名の北朝鮮特殊部隊が来襲、制圧、そして東奔西走しつつも決定力=責任を持たない、圧倒的な実力を示すことができない日本政府。
さらにまったく関係のない若者たちの行動が始まる、、、、超フィクション大作。
(野間文芸賞、毎日出版文化賞受賞)
毎度脱帽せざるを得ない膨大な取材量とその排出量、って直接的に言っちゃうあたりわたしの文章力がないなあと思うわけですが、この、北朝鮮人民、テロリズム、反体制思想、準ホームレス化する若者、あまりにも緊張感がない空気でつつまれた日本という国、、、、という構図を惜しげもなくあらゆる視点で書きおろした超大作は存分に楽しめました。もちろんとてもいろいろな問題を示唆している著作だと思うのですが、村上氏の場合は、個人的な意見ですが結局エンターテイメントとして読むべきじゃないかと。
だって誰だって知っていることだもの。
それをわかっていて氏は文学として書き起こされ、そして誰だって知っていることだと思っていない人たちにあたかも「こんなことも知らないの?知っておいたほうがいいよ~」と、お酒の席で話すことのようにわかりやすく語ってくれる。
だから好きですね。
説得力をもたせるために必要だと思わせておいて、おいてけぼりを感じるエピソードの数々。
たびたび氏の小説には使われる手法ですが、そのスピード感がまたいい。
上下巻と分厚いのでお暇な夜にどうぞ。
上下巻
村上龍/
2005年(H17)3月発刊
わたしは飽き性なせいで平行して数冊の本を読むくせがあるんですが、ひさびさに一気に数日のうちに読み終えたのが、この「半島を出よ」。
かなり今更感がある秋の夜長の読書選定ですが、積み本もけっこうあるのであんまり本を買うのはしばらくやめようと思っていた矢先に、ストレス発散で衝動買いしたもので。
村上龍氏の場合はカンブリア宮殿などテレビ番組をもっていたりとわりと露出が多い方だと思うのですが、それでなんとなく彼本人を小説のなかに比較的感じるんですよね。別段それが気に入らないってこともないのですが、今回はそんな隙間があまりなかった気がします。
概要は、福岡ドームを北朝鮮の武装コマンドが占拠、さらに直後、数百名の北朝鮮特殊部隊が来襲、制圧、そして東奔西走しつつも決定力=責任を持たない、圧倒的な実力を示すことができない日本政府。
さらにまったく関係のない若者たちの行動が始まる、、、、超フィクション大作。
(野間文芸賞、毎日出版文化賞受賞)
毎度脱帽せざるを得ない膨大な取材量とその排出量、って直接的に言っちゃうあたりわたしの文章力がないなあと思うわけですが、この、北朝鮮人民、テロリズム、反体制思想、準ホームレス化する若者、あまりにも緊張感がない空気でつつまれた日本という国、、、、という構図を惜しげもなくあらゆる視点で書きおろした超大作は存分に楽しめました。もちろんとてもいろいろな問題を示唆している著作だと思うのですが、村上氏の場合は、個人的な意見ですが結局エンターテイメントとして読むべきじゃないかと。
だって誰だって知っていることだもの。
それをわかっていて氏は文学として書き起こされ、そして誰だって知っていることだと思っていない人たちにあたかも「こんなことも知らないの?知っておいたほうがいいよ~」と、お酒の席で話すことのようにわかりやすく語ってくれる。
だから好きですね。
説得力をもたせるために必要だと思わせておいて、おいてけぼりを感じるエピソードの数々。
たびたび氏の小説には使われる手法ですが、そのスピード感がまたいい。
上下巻と分厚いのでお暇な夜にどうぞ。
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