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阿修羅ガールとスクール・アタック・シンドローム 読んだよ [本]



阿修羅ガール  2005年05月(三島由紀夫賞受賞作)
スクール・アタック・シンドローム  2007年07月
(短篇3作:スクールアタック・シンドローム/我が家のトトロ/ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート)
ちなみに、熊の場所 2006年02月
著者:舞城王太郎
(この発行年月日って、単行本のなのかな。作品の発表年月日は、それぞれ本に記されています)

相変わらずといえば相変わらずな感じの、テイスト。
わたしも発表年代毎に追って本を読むほうではないので、なんというかレビューというか感想がちょっと的外れになってしまうところは、ご容赦ください。

「阿修羅ガール」の注釈として(三島由紀夫賞受賞作)っていうのが付いてくるんですよね。それでちょっとだけ気になって読んでみたんですけど、この(三島由紀夫賞受賞作)がどういうものか、よく知らないのですが実は前年に「熊の場所」が候補作としてあがっていて落ちてるんですよ。らしい。その年の他の落ちた候補作が綿矢りさのインストール。で、この受賞した年の他の落ちた作品が嶽本野ばらの「エミリー」。他にも候補作はいくつかあるのですけど、なんとなく自分が知っている作品から察するに、ちょっと近代的な、実験的な作品というか純文学といわれるようなものでない作品にも注目するような賞なのかな?と思いますが、全体的にみてないので違うかもしれません。

いや、何が言いたいかというと、こういう賞ってタイミングがとても重要で、同じ年にノミネートされた作品でとても「強い」作品があるとどうしても負けるよね、、、と思いまして。
個人的には「熊の場所」を支持しているので、阿修羅ガールよりはこっちのほうが、、、と思ってしまったんですけど、翌年に同著者に賞をあげたあたり、どうしても評価したかったのかなと思ったりもします。
そういうのは本を読む上であまり関係ないんですけどね。

舞城王太郎氏に関してはなんか、こう、評価しづらいっていうのがわたしの感想です。
小説として体をなしているのか?どうなのか?っていう根底から混乱させられるし、でも読むと面白いんだよね。最近のは色々暴走してて面白いのかどうかも謎な感じはするけど。「要するにこれは」面白いのかなあっていう感想が出ちゃう、でも、ばーっと読んでる間は面白いの。
「熊の場所」はとても綺麗にまとまっていて、しかもテーマも簡潔で、完成度がすごく高いと思うのだけれども、たぶん賞をとるかどうか、となるとちょっと、短編なのでボリュームが足りないのはネックだったかもしれない(つい最近の作品にネックってあるけどな)。単行本1冊のボリュームの「阿修羅ガール」が賞とったことを思うと。

ちょっと感想文が全く無いので、書こうと思いますが、もしわたしが学生でこれで読書感想文を書けって言われたら、結構難しいなあ。

スクールアタックシンドロームのほうは短編が3作品で、表題の内容は、学生による虐殺事件をきっかけにした、暴力行為の伝染を舞城節で語った、親子の話。そういうこともあるかな、っていう感じが面白い。全体的に心の動きを追った小説です。舞城氏の小説は基本的に何が起ころうと世界には影響しない、という雰囲気で筋ではすごく猟奇的な事件を扱っているのに安心感があるのが特徴かな、と思う。
ソマリア~は読後の無理やり爽快になれという展開は、相変わらず。これこそが、相変わらずな部分だと思う。これが許せるか、どうかはこの人の作品を読めるかどうかだと思う。

阿修羅ガールは、ちょっと文学的な雰囲気で書きましたよ、っていう体なんだけども。

著者の絶対に顔バレしない姿勢とか、文体とかから、まじめにこんな本読んじゃんダメなんじゃないのかなあ~っていっつも心のどこかで疑いながら読んでしまうので、だからこそ感想が書けない。書きづらい。
俗な言い方をすれば、釣られてないか?わたし、、、、って思っちゃうんだ(wwwww←

にしても最近の刊行の速さ、ネック(舞台・映画)などの精力的な活動を見ると、活き活きしてるなあと思う。羨ましい。羨ましいっていい方は、不遜だけれども。
わたしがこの作家の作品に興味がある、周波数がちょっと合う、のはデザイン系だからだと思う。
フォントも奥付に書いたり、変なことも多いし。ちょっと前から文庫本で文字の大きさを買えたりフォントを変えたりする試みが流行ってるなって感じはするけど、もう落ち着いたのかな。あんまり好きじゃないな。段組とか読みやすいフォントとか、雰囲気重視のため、とかはわかるんだけど、たまに一部めったやたらでかい字になったりしてるのがあるよね。阿修羅ガールに関しては、成功していると思うけど。

やっぱり難しいです。
タグ:舞城王太郎
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